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内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)は直接、喉、食道、胃、腸の中が見える優れた検査です。以下のような場合に検査を行います。
 

・胸焼けがする、お腹が痛い(特に食後や空腹時)、お腹が張る、食欲がわかないといったような胃の症状がある場合に胃カメラを行います。
・腹痛、下痢・便秘など便通異常や血便などの便に関わる異常がある場合に大腸カメラを行います。
 
 

腸の癌も進行した場合は上記のような症状が出る場合もありますが、ある程度進行しないと症状が全くない場合もあります。
以下に該当する方は、癌ができやすので定期的な検査をお勧めしています。
 
咽頭がん(のど)
喫煙者、アルコール多飲者(特に飲酒により顔が赤くなる人)
 
食道がん
喫煙者、アルコール多飲者(特に飲酒により顔が赤くなる人)、胃酸の逆流が多い人

 

胃がん
ピロリ菌に感染している人、喫煙者、塩分摂取過多
 

大腸がん
高齢男性、血縁者に大腸がんになった方がいる、アルコール多飲者、赤身肉・加工肉の過剰摂取、肥満、高身長、運動不足、大腸ポリープを指摘されている(または取ったことがある)
 

内視鏡検査と聞くと胃カメラの喉の不快感やおえっとなる反射、大腸カメラの挿入による苦痛など内視鏡検査を敬遠するイメージが先行しています。
バリウムによる胃透視やCT検査、超音波検査など胃腸の検査は他にもありますが、内視鏡検査は多くのメリットがあります。
 
 

内視鏡検査イメージ
 

 
 
CT、腹部超音波検査では進行がんはわかっても、早期がんが見つかることはほとんどありません。
現在、早期がんで見つかると手術でお腹や胃腸を切らなくても、内視鏡でがんのみを切り取る(剥ぎ取る)ことができ、負担が少なく済みます。
 

 

ESD手技/オリンパス おなか健康ドットコムより    

 
 
 
癌が進行すると手術は体への負担が大きかったり、転移の可能性から抗がん剤が必要になってくることもあります。そのため、早期で見つけることが重要です。
現在まで胃がん検診にバリウムによる胃透視が広く行われてきました。CTなどに比べ胃透視も早期がんを発見できる検査です。
しかし、内視鏡とは違い実際に見るわけではなく、バリウムの粘膜へのつき方で胃の凹凸を間接的に見ています。
 
同じ早期がんでも盛り上がっているものや凹んでいるものから、平坦なもののあります。
平坦なものは色の変化や表面の細かな模様の変化を見て判断します。
これらは胃透視では見つけるのが難しく、直接的に見る内視鏡検査のみのメリットです。
 
 
 
 

胃透視(バリウム検査)イメージ


 
 
 
また、色素を振ることや光の波長を変えることでよりわかりやすくすることもできます。
組織(細胞)を採取してがん細胞の有無を調べるなどできるのも内視鏡検査のみです。
胃透視ではポリープとわかっても、良性悪性やそれが何のポリープであるかまでは診断ができません。実際に胃透視で異常が見つかった場合には精密検査として次に内視鏡検査となります。
 
 

通常観察

 

段差は小さいが周囲より赤みが薄い。

特殊光(NBI)

茶色に見え通常観察より明瞭に。

色素散布

腫瘍の細かな模様や段差が明瞭に。
 

食道通常観察

 

平坦で段差はないが、わずかに赤い。

特殊光(NBI)

茶色に見え通常観察より明瞭に。

色素散布

周囲が茶色に染まるが腫瘍は染まらない。
 

 
このような理由から当院では胃腸の検査には内視鏡をお勧めしています。
検査に伴う苦痛に関しては、麻酔(主に喉の局所麻酔)、細いカメラ、術者のカメラ操作によりかなり軽減できます。
内視鏡検査は一度受けたから今後大丈夫というものではありません。定期的に受けることが重要です。当院では患者様がまた受けようと思えるために苦痛の少ない検査を心がけています。前回苦痛が強かった方、検査に対し恐怖心がある方は一度ご相談ください。
 
 
 

胃カメラ

 

前日

21時以降、検査まで食事は控えてください。水分は構いません。

 

当日

検査2時間前からは飲水を控えてください。

大腸カメラ

前日

検査食もしくは消化の良い食事を摂取していただきます。

繊維質の多いもの、消化の悪いもの(根菜、海藻、きのこ類、種のある果物など)は控えてください。腸内に残るため検査の妨げとなります。

 

当日

朝は欠食です。

午前中に当院、または自宅にて腸内をきれいにする洗浄液を飲んでいただきます。

便が透明の水になってから検査を開始します。

内視鏡検査時の内服薬
定期薬の内服に関しては薬の種類により中止する場合もありますが、自己判断で中止せず当院、もしくは普段処方いただいているかかりつけ医にご相談ください。
基本的に降圧薬や血液をサラサラにする薬は、中止により検査時の血圧上昇や血栓症(脳梗塞など血管が詰まる)のリスクが高くなるため中止しません。
糖尿病の薬は欠食期間は中止します。

 

検査後の注意
胃カメラは咽頭麻酔を行なっており、誤嚥(むせ)が起こりやすい状態です。検査後、1時間は飲食を控えてください。
腸の動きを抑える注射の影響で目が見えにくいといった症状が一時的にある場合があります。
また、鎮静(薬でウトウトさせる)する場合、検査後の車の運転は控えてください。
生検(細胞を採取する検査)を行なった場合は傷ができるため出血することがあります。当日は消化のいい食事を摂取し、アルコールは控えてください。
大腸ポリープを切除した場合、傷ができるため出血や穿孔(腸に穴が開く)と行った合併症が起こることがあります。1週間程度は起こる可能性があるため、消化のいい食事を摂取し、アルコールや腹圧のかかる重労働・運動は控えてください。